スリッパの法則とは?三角形を切ると180°がわかる!角度のしくみを体験しよう

スリッパの法則 教育・学習

三角形の角度の問題で使われるスリッパの法則。
三角形の外側にできる角は、離れた2つの内側の角を足せば求められます。

たしかに便利です。
でも、この記事で一番伝えたいのはこの法則を暗記することではありません。
覚えにくいものに出会ったとき、どうすればいいのか。

知っているものにつなげる。
自分の目で見る。
手で動かしてみる。
そして「なぜ?」を考える。

実はスリッパの法則には、そんな学び方のヒントがたくさん隠れています。

三角形の角度とスリッパの法則

スリッパの法則とは?

三角形の1本の辺を外側へ伸ばしてみます。
すると、三角形の外側に新しい角ができます。この角を外角といいます。

このとき、外角=その外角と隣り合っていない2つの内角の和 という関係になります。

例えば、離れた2つの角が40°と65°なら、外角は 40+65=105° です。
この形を身近なスリッパに見立てて覚える方法が、一般に「スリッパの法則」などと呼ばれています。

難しそうな図形を、見たことのあるものに結びつける。
これだけでも、ただ式を丸暗記するより思い出しやすくなります。

でも「スリッパだから」で終わらせない

スリッパという名前は、思い出すためのきっかけです。
本当に面白いのはここからです。

なぜ、離れている2つの角を足したものが、外側の角と同じになるのでしょう?

その理由を知るには、まず三角形のもっと基本的な性質を確かめる必要があります。
三角形の3つの内角を足すと、必ず180°になるという性質です。

本当に180°?まず紙を切って確かめてみよう

ここで公式を覚える前に、実際にやってみましょう。
必要なのは、紙・えんぴつ・定規・はさみだけです。

  1. 紙に好きな形の三角形を描く
  2. 三角形を切り取る
  3. 3つの角の部分を切り離す
  4. 3つの角の頂点を1か所に集めるように横へ並べる

するとどうなるでしょう。

3つの角が、ほぼ一直線に並びます。

一直線の角度は180°です。
つまり、実際に切って並べてみるだけでも、「あ、本当に三角形の角を全部集めると180°になるんだ」と目で確かめることができます。

細長い三角形でも180°になる?

せっかくなので、1枚だけで終わらせないでください。
次は、ものすごく細長い三角形を作ってみましょう。

横に広い三角形でも構いません。
また3つの角を切って並べてみます。

やはり、一直線に近い形になります。
形はまったく違うのに、同じことが起こります。

紙が手元になければ、下の三角形でも試せます。上のオレンジ色の点を動かして、できるだけ変な形の三角形を作ってみてください。

三角形を動かしてみよう

上の●をドラッグして、細長くしたり、左右に動かしたりしてみてね。

内角の合計 180.0°
Bと同じ角 Cと同じ角 A B C A B C
A 0°
B 0°
C 0°
まずは形を変えてみよう。 3つの角度は変わるのに、合計だけはどうなるかな?

どうでしょう。
A・B・Cそれぞれの角度はどんどん変わります。ところが、3つを足した180°だけは変わりません。

では、なぜ形を変えても必ず180°になるのでしょう?

『平行線を表示する』を押してみてください。ここで新しい疑問が出てきます。
この「不思議だな」が、理解への入口です。

なぜ三角形の内角の和は180°なの?

紙を切る実験では「本当に180°になりそうだ」ということは確認できました。
でも、それだけではなぜ必ずそうなるのかまでは分かりません。

そこで、今度は線の性質を使って考えてみます。
三角形の一番上の頂点を通るように、下の辺と平行な直線を1本引きます。
平行な2本の線を別の線が横切ると、同じ大きさの角が現れます。

その性質を使うと、三角形の左下の角と同じ角を頂点の左側へ、右下の角と同じ角を頂点の右側へ移して考えることができます。

すると頂点には、左下の角 + 上の角 + 右下の角 が横一列に並びます。

そして横一列の直線は180°。
だから、三角形の3つの内角を足すと180°になるわけです。

紙を切ったときに起きていたことと、線を使って考えたことがここでつながります。

「やってみた」と「理由がわかった」がつながる瞬間

ここが大切です。
最初から、「三角形の内角の和は180°です。覚えましょう」と言われても、180°という数字を覚えることはできます。

でも、

  • 三角形を切ってみる
  • 3つの角を並べる
  • 本当に一直線になる
  • 「なんで?」と思う
  • 平行線の性質を見る
  • 理由がつながる

という体験があると、180°はただの数字ではなくなります。
自分が見たもの、触ったもの、考えたことと結びついた知識になります。

ここでスリッパの法則に戻ってみよう

三角形の3つの角をA・B・Cとします。
三角形なので、A+B+C=180° です。

そして、Cの隣にできる外角をDとすると、CとDは一直線なので、C+D=180° になります。

どちらも180°です。
しかも、どちらにもCがあります。
同じ180°から同じCを取れば、残ったものも同じです。

つまり、A+B=D になります。
これがスリッパの法則の正体です。

新しい魔法の公式が突然出てきたわけではありません。
「三角形は180°」と「直線は180°」という、すでに知っていることをつないだ結果なのです。

スリッパという名前にも意味がある

ここでもう一度、「スリッパ」という名前を考えてみましょう。

数学の図形は、紙の上では線と角だけです。
でも、その形を見たことのあるスリッパと結びつけると、急に思い出すための手がかりができます。

これは算数だけで使える方法ではありません。

  • 数字を身近な出来事とつなげる
  • 図形を知っている形に見立てる
  • 歴史の年代を物語の流れで覚える
  • 英単語を絵や場面と一緒に覚える

覚えにくいものを、そのまま何度も頭に押し込む必要はありません。
「これ、何か知っているものとつなげられないかな?」
と考えてみるのも立派な勉強の方法です。

本物の世界に完璧な三角形はほとんどない

もう一つ考えてみましょう。

教科書の三角形は、辺がピシッとまっすぐで、角もきれいに尖っています。
でも、身の回りにある三角形はどうでしょう。

道路標識の角は少し丸くなっています。
屋根にも厚みがあります。
紙をはさみで切れば、少しくらい曲がることもあります。

現実の物は、教科書の線のように完璧ではありません。
それでも算数では、

「ここがまっすぐな線だったら?」
「この角を1つの点として考えたら?」

と、必要な部分だけを取り出して考えます。

身の回りのものを算数の目で見ると、教科書の中だけの図形だったものが現実の世界につながってきます。

スリッパの法則を使ってみよう

では、実際の問題です。

外角から離れた2つの内角が42°と68°だったとします。
普通に考えるなら、まず3つ目の内角を求めます。

180-42-68=70°

そして、一直線が180°なので、

180-70=110°

外角は110°です。

スリッパの法則を使えば、

42+68=110°

一度の計算で求められます。
便利ですね。

でも今なら、ただ「そういう公式だから」ではなく、なぜ足すだけでいいのかも説明できるはずです。

二等辺三角形と組み合わせてみよう

二等辺三角形では、2つの底角が同じ大きさになります。
では、頂点にできた外角が140°なら、2つの底角は何度でしょう?

スリッパの法則から、2つの底角を足したものが140°です。
しかも2つの角は同じ大きさなので、140÷2=70° 。
答えは70°ずつです。

1つの公式だけを使うのではなく、知っていること同士をつなげると問題が簡単になることがあります。

動画でも角度の考え方を確認しよう

三角形の角度について、巨大クッキーやテント、紙飛行機などを使った例題でも解説しています。

練習問題|答えより「なぜ?」を説明できるかな

問題1
外角から離れた2つの内角が35°と70°です。外角は何度でしょう?

問題2
外角が125°で、離れた内角の1つが48°です。もう1つの内角は何度でしょう?

問題3
スリッパの法則で、なぜ2つの内角を足すと外角になるのでしょう?自分の言葉で説明してみてください。

答え

問題1:105°
35+70=105°です。

問題2:77°
125-48=77°です。

問題3:
三角形の内角の和も180°、外角とその隣の内角を足した直線も180°です。どちらからも同じ内角を除くと、残った2つの内角の和と外角が同じになります。

ここから少しだけ先へ|地球の上でも180°?

最後に、少し不思議な話をします。

ここまで三角形の内角の和は180°と説明してきました。
では、どんな場所に描いた三角形でも必ず180°なのでしょうか。

実は、学校で扱っているのは平らな面の上に描いた三角形です。
地球のように大きく曲がった表面で、とても大きな三角形を作ると、3つの角を足して180°にならないことがあります。

「三角形だから180°」ではなく、「平らな世界の三角形だから180°」

今すぐ詳しい計算ができなくても大丈夫です。
「え?じゃあどうなるの?」と思ったら、それだけでもう次の学びが始まっています。

まとめ|覚える前に、つなげて、触って、確かめよう

スリッパの法則は便利な計算テクニックです。
でも、この法則から学べることはそれだけではありません。

  • 覚えにくい形を、身近な「スリッパ」とつなげる
  • 三角形を実際に切って、3つの角を並べてみる
  • 「本当に180°になった」という体験をする
  • 「なぜ?」と思ったら、平行線の性質から理由を考える
  • すでに知っていること同士をつなげて、新しい法則を理解する

難しいことを、難しいまま覚えなくてもいいのです。

見たことのあるものにつなげる。
自分で触ってみる。
「なぜ?」を考える。

そうすると、ただ覚えただけの知識が、思い出せる知識、使える知識に変わっていきます。
次に分からない公式に出会ったら、まずこう考えてみてください。

「これ、自分で確かめられないかな?」

そこから始めてみると、算数の見え方が少し変わるかもしれません。

▼小学5年生の算数問題集もダウンロードできます▼

問題集のダウンロードはこちら

小学5年生 算数基礎 問題集
YouTube「shinちゃんねる」視聴者様限定!小学5年生算数の重要単元問題集を無料ダウンロードできます。小数の計算、分数(たし算・わり算・通分)、平均、割合、比例、体積、正多角形、合同、約数・公倍数、素数など全単元対応。関連解説記事もリンク付きで予習・復習に最適です。

▼ 小学5年生の算数をまとめて確認したい場合はこちら
小学5年生の算数30問テスト|重要単元を総復習して苦手をチェック

▼ その他の算数・教育記事はこちら
教育記事一覧を見る

今回の解説は、いかがでしたでしょうか? もし、「家庭学習だけだと限界を感じる」「子どものペースに合わせて基礎からしっかり見てほしい」とお悩みの場合は、つまずいた所から個別指導で遡って学習できる松陰塾などの活用も一つの手です。 無料体験もやっているようなので、プロの指導を取り入れてみたい方はチェックしてみてくださいね。【PR】
教育・学習
シェアする
shinをフォローする
この記事を書いた人
shin

業務改善・DX支援コンサルタント / Webコンテンツクリエイター。
営業・店舗マネジメントから現場作業まで25年以上の実務経験を持ち、現在はフリーランスとして企業のDX推進(kintone導入やバックオフィス効率化)を支援。

プライベートでは、自身の子供の中学受験・基礎学力向上のために作成した教育系動画をきっかけに、AI技術を用いた音楽や動画制作の探求を開始。

当サイトでは複雑な業務や知識を、誰でも使えるシンプルな仕組みに落とし込むコンサルタントの知見を活かし、最新AIツールから教育、歴史的占術まで、実践的でわかりやすい一次情報を発信している。

なお、X(旧Twitter)等では「Beta」として、AI音楽やイラスト制作の実践記録も公開中。

shinをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました