「0は偶数? それとも奇数?」
答えは偶数です。
でも、この疑問を考えてみると、そもそも偶数と奇数は何が違うのかまで見えてきます。
「0を2で割って余らないから偶数」と説明されても、
「そもそも0個なのに、どうやって分けるの?」
と思うかもしれません。
そこで今回は、いきなり割り算から考えるのをやめてみます。
まずは「偶数」と「奇数」という名前から調べてみましょう。
すると、0が偶数になる理由も少し違って見えてきます。
偶数と奇数の違いは?そもそも名前の意味から考えてみよう

偶数の偶という漢字。
普段はあまり単独で使いませんが、「配偶者」という言葉にも使われています。
「偶」には、対になる・つれあう・組になるという意味があります。
つまり偶数は、イメージで言えばペアを作れる数です。
では奇数の「奇」はどうでしょう。
「奇妙」「怪奇」などの言葉があるので、「なんだか変な数なの?」と思うかもしれません。
でも、奇数が悪い数という意味ではありません。
算数で使う「奇」には、2つずつ組にしたとき、きれいに組にならないという意味があります。
この記事では分かりやすく、ペアを作ったあとに残った1人をスペシャルな1人と呼ぶことにします。
※「スペシャルな1人」はこの記事だけの呼び方です。数学の正式な用語ではありません。
偶数=ペアだけ
奇数=ペア+スペシャルな1人
まずは、このイメージで考えてみましょう。
※漢字そのものの意味をもっと調べたい場合はこちら。
みんなでペアを作ってみよう

思い浮かぶ人の人数だけを使って算数の遊びをしてみます。
例えば、その場に2人いたとします。
親子でも、兄弟でも、先生でもお友達でもかまいません。
2人 → 1ペア
誰も残りません。
だから2は偶数です。
では3人なら?
2人で1ペアを作ると、1人だけ残ります。
3人 → 1ペア+スペシャルな1人
だから3は奇数です。
4人なら、4人 → 2ペア
5人なら、5人 → 2ペア+スペシャルな1人 となります。
2人ずつペアにしていくと、数には2種類あることが見えてきます。
- 最後に誰も残らない → 偶数
- 最後に1人残る → 奇数
やってみよう|何人ならペアだけになる?
下の人数を変えてみてください。
人数を変えて、2人ずつ組にしてみよう。
ペアになった2人は仲良くポーズ。1人だけ残ると、その人だけちょっと変なポーズをします。
2人、3人、4人、5人……と試したら、最後に0人も見てみましょう。
0人ならどうなる?
ここが今回の一番面白いところです。
0人では、もちろんペアを1組も作れません。
でも、よく見てください。
1人も残っていません。
0人の状態は、ペア0組 + スペシャルな1人も0人 です。
2人なら、ペア1組で誰も残らない。
4人なら、ペア2組で誰も残らない。
6人なら、ペア3組で誰も残らない。
そして0人も、ペア0組で誰も残りません。
並べてみると、
0、2、4、6、8、10……
0は、偶数の列の中にごく普通に入っています。
0は「ペアを作れないから特別」ではなかった

「0個しかないのに、どうやって2つに分けるの?」
この疑問はもっともです。
でも、偶数か奇数かを考えるときに大切なのは、ペアが1組以上作れることではありません。
大切なのは、2人ずつ組にしたとき、最後に1人残るかどうか です。
0では1人も残りません。
だから、0は偶数の仲間です。
「1×0=0でもあるよ?」と思ったら
0について、こんな疑問も出てくるかもしれません。
「2×0=0なら偶数というけど、1×0だって0じゃない?」
その通りです。
0は、1×0でも、2×0でも、3×0でも表せます。
でも、奇数というのは「1をかけて作れる数」という意味ではありません。
奇数は、2人ずつペアにすると最後に1人残る数です。
0では誰も残りません。
だから0は奇数ではなく、偶数です。
算数では偶数を「2×整数の形で表せる数」と表すこともできます。
0=2×0 という式は、ここまで考えたことを算数の言葉で確認しているわけです。
動画でも偶数と奇数を確認してみよう
ここまで、偶数と奇数を「ペア」で考えてきました。
動画でも偶数と奇数の見分け方を確認してみましょう。文章で考えたあとに見ると、「2人ずつにするとどうなる?」という意味がさらに整理しやすくなります。
偶数と奇数の覚え方|なぜ一の位を見るだけで分かるの?
偶数と奇数は、一の位を見るだけで見分けられます。
- 一の位が0・2・4・6・8 → 偶数
- 一の位が1・3・5・7・9 → 奇数
でも、これも丸暗記する必要はありません。
例えば126を考えてみます。
126=120+6
120の中には「10」が12個あります。
10人なら、2人ずつ5ペアにできます。
つまり10のまとまりは、何個あっても最後に1人残りません。
最後に見る必要があるのは、一の位の6だけです。
6人なら3ペア。誰も残りません。
だから126は偶数です。
1234567のように大きな数でも、一の位の7だけ見れば奇数だと分かります。
一の位を見る方法は単なる裏ワザではなく、10のまとまりが全部ペアにできることを利用した方法なのです。
足し算でも「ペア」を考えてみよう
ペアで考えると、計算のきまりも見えてきます。
偶数+偶数
どちらもペアだけでできています。
合わせても1人残らないので、偶数+偶数=偶数
奇数+奇数
奇数には、それぞれスペシャルな1人がいます。
その1人と1人を合わせると、新しいペアが1組できます。
だから、奇数+奇数=偶数
偶数+奇数
偶数には残っている人がいません。
奇数側のスペシャルな1人は、合わせてもそのまま残ります。
だから、偶数+奇数=奇数
このきまりも、答えを覚えるのではなく、最後の1人がどうなるかを考えれば思い出せます。
練習問題|ペアを作って考えてみよう
問題1
7人います。2人ずつペアを作ると、何ペアできて何人残るでしょう?
問題2
10人なら、偶数と奇数のどちらでしょう?理由も考えてみましょう。
問題3
0はなぜ偶数なのでしょう?「0÷2」という式を使わずに説明してみましょう。
問題4
35+17は、計算する前に偶数か奇数か分かるでしょうか?
答え
問題1:3ペアできて、1人残る
だから7は奇数です。
問題2:偶数
10人なら5ペアできて、誰も残らないからです。
問題3:例
0人ではペアは0組ですが、最後に残る人も0人です。誰も残らないので、0は偶数の仲間です。
問題4:偶数
35も17も奇数なので、それぞれに残る1人どうしが新しいペアになります。奇数+奇数は偶数です。
ここから少しだけ先へ|0って、本当に特別な数?
0は、ちょっと特別な数に見えます。
何もないことを表したり、何をかけても0になったり、数直線では正の数と負の数の間にいたりします。
でも、偶数と奇数の世界で0を見てみると、意外な姿が見えてきました。
0、2、4、6、8、10……
0だけが特別扱いされているわけではありません。
ペア0組、残る人0人。
2、4、6、8と同じルールに従って、偶数の列のいちばん最初にいます。
「0って特別だと思っていたけれど、ここでは意外と普通なんだ。」
「0は偶数?」という小さな疑問から、偶数と奇数そのものの正体まで見えてきました。
まとめ|偶数と奇数はペアで見えてくる
- 「偶」には対になる・組になるという意味がある
- 偶数は2人ずつ組にすると誰も残らない
- 奇数は2人ずつ組にすると最後に1人残る
- 0人はペア0組で、残る人も0人
- だから0も偶数
- 0は偶数の世界では意外と普通の仲間
公式や見分け方を忘れてしまったときは、数字を眺めるだけでなく、「2人ずつペアにしたらどうなる?」と考えてみてください。
答えを覚えていなくても、そこから自分で考え直せます。
▼ 「倍数」の世界へ進んでみよう
偶数が2ずつ並ぶ数だと分かったら、今度は違う間隔で並ぶ数どうしが、どこで出会うのかを考えてみましょう。
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