平均の応用問題で大切なのは、問題ごとに新しい公式を覚えることではありません。
まず確認したいのは、
何が全体の量で、何が個数なのか
そして、
この問題では何を求められているのかということです。
平均には、
合計 = 平均 × 個数
という関係があります。
「1人の点数だけ分からない」「人数の違う2つのグループを合わせる」といった問題も、問題文を整理して一度合計に戻してみると、式が見えやすくなります。
この記事では、面積図の考え方も使いながら、平均の応用問題を
- でこぼこをならして考える
- 分からない値を逆算する
- 人数の違うグループを合わせる
という代表的なパターンで解説します。
平均そのものの意味や、0を個数に含めるのかなどの基本から確認したい場合は、先に平均の基本の記事を確認してください。
平均の応用は合計に戻すと考えやすい
平均の基本は、
平均 = 合計 ÷ 個数
です。
これを逆向きにすると、
合計 = 平均 × 個数
になります。
平均の応用問題では、この逆向きの考え方をよく使います。
たとえば、
4人のテストの平均点は75点でした。
と書いてあれば、
- 平均 → 75点
- 個数 → 4人
- 全体の合計 → まだ分からない
と整理できます。
ここまで整理できれば、
75 × 4 = 300点
として、4人分の合計を求められることが分かります。
計算する前に問題文をチェックする
平均に限らず、文章題ではいきなり式を書かないことが大切です。
まず問題文の中から、
① 何が全体の量なのか
② 何が個数・人数なのか
③ 最後に何を求めるのか
を確認します。
必要なら、問題文に線を引いたり印を付けたりして構いません。
解き方を知っていても、どの数字を使えばいいのかが整理できなければ式にはつながりません。
算数の文章題ですが、実戦では問題文を正しく読む力もかなり重要です。
面積図で平均を目で見る
平均は、面積図を使うと関係が見えやすくなります。

面積図では、
- 縦の長さ → 平均
- 横の長さ → 個数・人数
- 面積 → 全体の合計
と考えます。
つまり、
平均 × 個数 = 合計
は、そのまま
たて × よこ = 面積
として見ることができます。
平均とは、ばらばらだった量を同じ高さになるようにならしたときの高さ、と考えることもできます。
ここで大切なのは、面積図の形を暗記することではありません。
図の「たて・よこ・面積」が、問題文の何に対応しているのかを確認することです。
ここが分かっていれば、数字や問題の設定が変わっても面積図を使えるようになります。
ちょっと余談
面積図は、計算だけでは見えにくかった数量の関係をかなりきれいに整理してくれます。
個人的にはかなり「イケてる面積図」だと思っていて、勝手にイケメン図と呼んでいます。
名前はともかく、文章題の数量関係を目で確認できる便利な考え方です。
パターン1:でこぼこをならして平均を求める
4回のテストの点数が、
73点・76点・81点・90点
だったとします。
もちろん、全部を足して4で割れば平均を求められます。
しかし今回は、80点を基準に考えてみます。
80点との差を見ると、
- 73点 → 7点少ない
- 76点 → 4点少ない
- 81点 → 1点多い
- 90点 → 10点多い
80点より少ない分は、
7+4=11点
80点より多い分は、
1+10=11点です。
多い11点分を、少ない11点分へ移すと、4つとも80点になります。
したがって平均は、
80点です。
これが、でこぼこをならして平均を考える方法です。
でこぼこ法が便利なのは?
数字がある値の近くに集まっているときに便利です。
たとえば、
74・79・81・86なら、
80との差は
−6・−1・+1・+6です。
プラスとマイナスが打ち消し合うので、平均はすぐに80と分かります。
逆に、差が複雑な数字なら無理に使う必要はありません。
普通に合計 ÷ 個数で計算した方が早いこともあります。
大切なのは、特定の解き方にこだわることではなく、問題に合った考え方を選ぶことです。
パターン2:分からない1人分を逆算する
4人のテストの平均点が75点でした。
3人の点数は、
70点・80点・72点です。
残り1人の点数を求めてみましょう。
① まず全体の合計を求める
平均75点で4人なので、
75 × 4 = 300点
4人全員の合計は300点です。
② 分かっている3人の合計を求める
70+80+72=222点
③ 全体から引く
300-222=78点
したがって、残り1人の点数は
78点です。
この問題で重要なのは、分からない1人をいきなり求めようとしないことです。
問題文を整理すると、
- 平均 → 75点
- 個数 → 4人
- 全体の合計 → 不明
- 3人分の点数 → 分かっている
- 求めるもの → 残り1人
となります。
そこで、平均と人数から、まず全体の合計を出すという順番が見えてきます。
パターン3:人数の違うグループを合わせる
A組20人の平均点が60点、B組30人の平均点が80点でした。
50人全員の平均点はいくつでしょうか。
ここで、
(60+80)÷2=70点としてはいけません。
A組とB組では人数が違うからです。
① A組の合計を求める
60 × 20 = 1200点
② B組の合計を求める
80 × 30 = 2400点
③ 全員の合計を求める
1200+2400=3600点
人数は、
20+30=50人なので、
3600÷50=72点となります。
答えは、
72点です。
なぜ70点ではないの?
B組の方が人数が多いからです。
60点側には20人、80点側には30人います。
そのため、全体の平均はちょうど真ん中の70点ではなく、人数の多い80点側へ少し近づきます。
ここでもポイントは、
平均と平均をそのまま平均しないこと。
一度、平均 × 人数でそれぞれの合計に戻してから考えます。
実戦で大切なのは「何を問われているか」を整理すること
面積図や計算方法を理解することは、もちろん大切です。
ただ、文章題で実際に問題を解くときには、それだけでは足りないことがあります。
同じ「平均」の問題でも、
- 平均そのものを求める
- 全体の合計を求める
- 分からない1人分を求める
- 複数のグループをまとめる
など、聞かれているものは違います。
そこで、問題を見たらまず、
結局、この問題では何を答えればいいのか?
を確認します。
そのうえで、分かっているものと、分かっていないものを整理する。
これができてから初めて、使う式を決めます。
計算ができることと、文章題が解けることは同じではありません。
解法を理解することは基礎です。
その解法を実際の問題で使うには、問題文を整理してどの解法を使う問題なのかを判断する力が必要になります。
平均に限らず、割合・速さ・単位量あたりなどの文章題でも、この考え方は共通して使えます。
平均は真ん中の数とは限らない
平均と、数字を順番に並べたときの真ん中の値は同じとは限りません。
たとえば、
50・50・50・50・100という5つの数字があります。
平均は、
(50+50+50+50+100)÷5=60
です。
一方、数字を順番に並べたときの真ん中は50です。
この真ん中の値を中央値といいます。
極端に大きな数や小さな数があると、平均はその数字の影響を受けます。
そのため、平均だから、だいたい真ん中の数字だろうとは限らないことも覚えておきましょう。
練習問題
ここまでの考え方を使って解いてみましょう。
問題1
5回のテストの平均点が82点でした。
5回分の合計点は何点でしょうか。
問題2
4人の平均身長は140cmです。
3人の身長が、138cm・145cm・136cmだったとき、残り1人の身長は何cmでしょうか。
問題3
男子15人の平均点は65点、女子25人の平均点は75点でした。
40人全員の平均点は何点でしょうか。
問題4
4回のテストの点数が、74点・79点・81点・86点でした。
80点を基準にしたでこぼこを使って平均を求めてみましょう。
練習問題の答えと考え方
問題1:410点
平均82点で5回なので
82×5=410
答えは410点です。
平均と個数が分かっているので、合計に戻します。
問題2:141cm
4人全員の合計は
140×4=560cm
分かっている3人の合計は、138+145+136=419cmなので
560-419=141cm
答えは141cmです。
問題3:71.25点
男子15人の合計は、65×15=975点
女子25人の合計は、75×25=1875点
全員の合計は、975+1875=2850点
人数は40人なので、2850÷40=71.25点
答えは71.25点です。
問題4:80点
80点との差を調べます。
- 74点 → −6
- 79点 → −1
- 81点 → +1
- 86点 → +6
少ない分と多い分がちょうど打ち消し合います。
したがって平均は80点です。
動画では面積図の動きを確認できます
ここまで、文章と計算だけでも解けるように説明してきました。
面積図のでっぱっている部分を、へこんでいる部分へ移してならすという動きを実際に見て確認したい場合は、こちらの動画も参考にしてください。
先に文章で数量の関係を整理してから動画を見ると、面積図が何を表しているのかも理解しやすくなります。
まとめ|平均の応用は「問題整理 → 合計に戻す」
平均の応用問題で迷ったら、いきなり計算を始めるのではなく、
① 何が全体の量か
② 何が個数・人数か
③ 何を求める問題なのか
を最初に整理してみましょう。
そのうえで、
合計 = 平均 × 個数を使って一度合計に戻すと、問題の構造が見えやすくなります。
分からない値を求めるなら、
全体の合計-分かっている合計
人数の違うグループを合わせるなら、
それぞれの合計を求めてから、全体の人数で割ると考えます。
面積図も、公式も、使い方を覚えるだけではなく、
この問題では何を求められているのか
を整理するための道具として使うことが大切です。
平均の解法を覚えたら、次は問題文を見た瞬間に、
- 分かっているもの
- 分からないもの
- 求めるもの
を整理する練習をしてみてください。
▼ 平均の基本から確認する
平均の基本|平均・合計・個数の関係と文章題の解き方
▼ 5年生算数の復習に挑戦
小学5年生の算数|重要単元30問テスト
▼問題集もダウンロードできます。ぜひ練習してみてください▼
問題集のダウンロードはこちら




コメント