AI音楽で「色欲」を3回作ったら、Carmillaは誘惑より予想外を欲しがった|制作記録

ネオンに包まれたクラブで、少し退屈そうにフロアを見つめる色欲のCarmilla AI音楽

原罪シリーズV1で、2番目に作った曲が色欲でした。

この頃は、思いついたテーマをGeminiと壁打ちしながら決め、Sunoのプロンプトもまだ手探り。動画制作も、静止画を並べたりレイヤーを少し動かしたりするところから始めた時期でした。

それでも色欲については、最初からひとつのイメージがかなり強く残っています。

熱、視線、ダンス、仮面。そして理性を捨てて、もっと深く夜へ沈んでいくこと。

V2では、その魅惑のダンスを90年代の派手なクラブへ移し、Carmillaという人物が生まれました。映像制作は今見ると反省点ばかりですが、声だけはその時点でかなり完成していました。

そしてV2.5。ほかの原罪キャラクターのように大きく変化させようとしたものの、Carmillaはあまり変わりませんでした。

でも歌詞を見返すと、まったく同じでもありません。

誘惑できることにはもう驚かない。簡単に落ちる相手より、自分の予想を外す相手を見てみたくなっている。

この記事では、色欲そのものだったV1から、声によってCarmillaが立ち上がったV2、そして予定調和に少し退屈し始めたV2.5までを振り返ります。

V1――まだCarmillaはいない、色欲そのものを踊らせた

最初に作った色欲は、『狂喜の舞踏 ~Masquerade of Lust~』です。

Sunoで『狂喜の舞踏 ~Masquerade of Lust~』を聴く

Female Vocals、Sultry Alto、Latin Pop、Flamenco Fusion、Lambada Rhythm、Spanish Guitar。160 BPMの速いリズムに、妖しさと熱をそのまま乗せています。

今のようにジャンルや楽器の役割を細かく設計していたわけではありません。思いついたテーマをGeminiと話しながら決め、そのままSunoへ持っていく。かなり手探りでした。

それでも出来上がった曲は、今聴いてもそこまで悪くないと思っています。

本能のまま踊り踊れ
狂い咲く薔薇のように

この頃の色欲は、誰か一人の性格ではありません。

夜、汗、視線、甘い毒、薔薇、仮面。そういう分かりやすい官能のイメージを、フラメンコやランバダの身体性へまとめた曲でした。

仮面を捨てて今は回れ
もっと深くリズムの中へ

赤い薔薇と仮面が舞う夜の舞踏会で、理性を忘れて踊る色欲を表現したV1挿絵

V1の色欲は、理性を捨てて熱の中へ沈んでいくことそのものだったと思います。

原罪企画へ最初に出したのも、この色欲だった

その後、アルパカ紳士さんの原罪企画を知り、最初に提出したのもこの色欲でした。

まだV2を七曲作る予定も、第8の罪まで広げる予定もありません。

まず手元にあった色欲を出した。

そのとき印象に残っているのが、曲そのものより先にサムネイルへ反応されたことです。

かなり強い見た目だったので、聴く前からヤバいと言われました。

音楽だけで始めた原罪シリーズでしたが、この頃から少しずつ、曲と画像と動画がセットになっていきます。

V2――魅惑のダンスを、90年代の東京へ連れていった

企画で追加提出ができると知り、七つの原罪を改めて作り始めました。

色欲のV2が、『TOKYO LUST ~極彩の幻影~』です。

Sunoで『TOKYO LUST ~極彩の幻影~』を聴く

V1にあった魅惑的なダンスのイメージを残しながら、今度はジュリアナ東京を思わせる派手なクラブへ場所を移しました。

90s Rave Techno、Eurodance、Sultry Showa Kayo。四つ打ち、派手なシンセブラス、羽扇子、お立ち台、ミラーボール、レーザー。色欲を静かな誘惑ではなく、極彩色の騒乱として描いています。

踊り狂え!Lust in the night!
一晩限りの愛でいいのよ

V1では熱に巻き込まれていく感覚が中心でしたが、V2では中心に立って他人を巻き込む人物が必要になりました。

そこで生まれたのがCarmillaです。

90年代風の極彩色クラブで羽扇子を手にフロアを支配するCarmillaのV2挿絵

映像は反省だらけ。でも声だけは最初から強かった

今このMVを見ると、制作面ではかなり粗いです。

キャラクターの一貫性は弱い。リップシンクもうまくない。カット割りも整理できていない。エフェクトも入れすぎています。元画像についても、今なら作り直したいものがかなりあります。

当時は動画生成そのものを覚えている途中だったので、やれることを見つけると、とりあえず入れてみるような作り方でした。

でも、一つだけ最初から抜群によかったものがあります。

声です。

太くて艶があり、クラブの騒音にも負けない女性ボーカル。自分の中では、倖田來未を思わせるような強さのある声でした。

映像のCarmillaはまだ安定していなかったのに、声を聴けばCarmillaだと感じられる。

このキャラクターは、見た目より先に声で固まったのかもしれません。

V2.5――変えようとしたけれど、あまり変わらなかった

V2.5では、原罪キャラクターたちをその後の時間へ進めました。

Carmillaも何か変化させようとは考えました。

ただ、結果から言えば、あまり変わっていません。

V2.5で作った曲が、『NEON ENNUI』です。

Sunoで『NEON ENNUI』を聴く

J-Rockを軸にElectronic RockとSynth-Popを混ぜた165 BPM。音楽の衣装は変わりましたが、Carmilla本人は相変わらず余裕があります。

欲しいなら来ればいい
急ぐ必要なんてないでしょう

相手が自分に惹かれていることも分かっています。

微笑めば答えまで見えてしまう

誘惑する力を失ったわけでも、色欲から離れたわけでもありません。

だから最初は、V2.5なのにあまり変化を作れなかったと思っていました。

変わったのは、欲望ではなく退屈だった

でも歌詞を見返すと、一つだけV2にはなかったものがあります。

退屈です。

夜明け前の静かなクラブでグラスを手に、予定どおりの誘惑に退屈するCarmilla

また同じ鼓動 また同じ顔
微笑めば答えまで見えてしまう
きれいな予定調和じゃ
この夜は少し長すぎるわ

Carmillaにとって、人を惹きつけること自体はもう難しくありません。

視線を向ければ来る。距離を詰めれば熱が上がる。相手が次にどう動くかも大体読めてしまう。

悪くはない。むしろ楽しい。

でも、全部が予想どおりです。

今夜くらい私の予想を外して
その理性でもう少し遊んで

V1では、もっと深く夜へ来てほしかった。

V2では、燃え尽きるまで抱きしめてほしかった。

でもV2.5では、簡単に落ちること自体が少しつまらなくなっています。

今夜くらい私の予想を外して
最後の一線 そのまま越えずに

Carmillaは欲望を抑えるようになったのではなく、簡単に満たされる欲望に飽き始めた。

だから欲しいものが少し変わった。

相手そのものではなく、自分にも読めない反応が欲しい。

それが『NEON ENNUI』で生まれた、小さな変化だったのだと思います。

Carmillaは善くなっていないし、それでいい

ほかのV2.5には、分かりやすく行動が変わったキャラクターもいます。

でもCarmillaに同じ変化を与える必要はありませんでした。

色欲を捨てれば、Carmillaではなくなってしまいます。

誘惑する。相手の熱を読む。近づけばどうなるかを分かったうえで楽しむ。その性質は残っています。

変わったのは、その成功を当然だと思い始めたことです。

色欲を克服するのではなく、色欲の中で退屈する。

結果として、それがCarmillaらしいV2.5になりました。

スピンオフ『Mar de Oro』――Carmillaではない曲に、Carmillaの声を使った

Carmillaには、Leviと同じように本編とは別のスピンオフ的な作品もあります。

『Mar de Oro』です。

Sunoで『Mar de Oro』を聴く

これはXのこばさんによる毎週土曜の記事企画へ出した曲で、Carmillaの物語を進めるために作ったものではありません。

Flamenco Fusionを使っていますが、描いているのは夜の欲望ではなく、夏の夕暮れです。

黄金色の夕暮れの海辺を歩くCarmillaを描いたスピンオフ曲Mar de Oroの挿絵

黄金色の海、冷え始める砂、帰っていく人たち、波に消される足跡。

過ぎてゆくもの それでも今日は
ここに確かにあったとわかる

曲の内容はCarmillaとはほとんど関係ありません。

ただ、声はCarmillaで定着していたものを使い、ショート動画にもCarmillaを登場させました。

自分でもかなり気に入っている曲です。

キャラクターの物語とは別の場所へ、声だけを連れ出しても成立する。

そういう意味では、Carmillaという声がどれだけ自分の中で定着していたかを確認できた作品でもあります。

3回作って分かった――Carmillaの色欲は、相手を求めることだけではない

色欲を3段階で振り返ると、こうなります。

段階色欲の中心
V1理性を捨て、熱とリズムへ沈んでいく欲望そのもの
V2Carmillaが生まれ、相手を自分の夜へ巻き込む誘惑として人物化する
V2.5誘惑は変わらないまま、予想どおりに落ちる相手へ少し退屈し、読めない反応を求め始める

大きな改心も、劇的な価値観の転換もありません。

むしろ変えようとしても、思ったほど変わらなかった。

でも、その変わらなさの中に退屈という新しい感情が入りました。

相手を落とせるかではなく、自分の予想を外してくれるか。

今のCarmillaが見ているのは、そこなのだと思います。

ORIGINAL SIN / INTERACTIVE

あなたの中で「色欲」はどれくらい混ざっている?

Carmillaの色欲は、単純に誰かを欲しがる気持ちだけではありません。視線、距離、魅力、相手から返ってくる反応を楽しみながら、自分と相手の境界を揺らしていく力です。

V2.5では、簡単に返ってくる反応だけでは物足りなくなり、自分の予想を外すものへ興味を持ち始めました。

では、あなた自身が何かを選ぶとき、心ではどの罪が強く動き、行動を整えたあとには、どの罪が混ざっているでしょうか。

12の選択から、傲慢・嫉妬・憤怒・大食・強欲・色欲・怠惰・虚栄の8つを、心の配合と行動の配合に分けて読み解きます。

罪の配合診断をやってみる →

まとめ――簡単に落ちるなら、もう少し退屈だ

V1の色欲は、理性を捨てて熱の中へ沈むダンスでした。

V2では、その熱の中心にCarmillaが立ちました。映像制作は今見ると粗さが目立ちますが、声だけはその時点で強く、この声がCarmillaという人物を固めていきました。

V2.5でも、Carmillaは誘惑をやめていません。相手を読む力も、自分へ引き寄せる余裕もそのままです。

ただ、何度繰り返しても同じ答えが返ってくる。

そこで初めて、自分の予想を外すものが欲しくなった。

色欲から離れたのではなく、色欲の中で予定調和に飽きた。

Carmillaの変化は、そのくらい小さくていいのだと思います。

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この記事を書いた人
shin

業務改善・DX支援コンサルタント / Webコンテンツクリエイター。
営業・店舗マネジメントから現場作業まで25年以上の実務経験を持ち、現在はフリーランスとして企業のDX推進(kintone導入やバックオフィス効率化)を支援。

プライベートでは、自身の子供の中学受験・基礎学力向上のために作成した教育系動画をきっかけに、AI技術を用いた音楽や動画制作の探求を開始。

当サイトでは複雑な業務や知識を、誰でも使えるシンプルな仕組みに落とし込むコンサルタントの知見を活かし、最新AIツールから教育、歴史的占術まで、実践的でわかりやすい一次情報を発信している。

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