計算が速くなるコツ|数字はそのまま計算しなくていい

小学生向けの計算が速くなるコツを積み木で表したイラスト 教育・学習
計算が速い人は、頭の中で筆算をものすごい速さでやっているのでしょうか?

たとえば、38+27 という計算。
そのまま計算すれば、8+7=15で、1を繰り上げて……と進みます。もちろん、それでも正解です。

でも38を見たときに、あと2で40と考えると、少し違う景色が見えてきます。

38+27
=40+25
=65

27個ある積み木から2個を取り、38個の積み木の山へ移したと考えてみてください。
38は40に、27は25になりますが、全部の積み木の数は変わっていません。

計算がしにくければ、計算しやすい形に変えていい。

この記事では、小学生でも使える計算を速くするコツを、暗算の裏技として覚えるのではなく、積み木やタイルを使ったイメージから考えていきます。

これから文章題、割合、場合の数、旅人算などへ進んでいくと、考えなければならないことはもっと増えていきます。
そのとき、できれば頭は問題を考えることに使いたい。計算そのものに使う力を少し減らしておくために、まず数字の扱い方から考えてみましょう。

38+27|積み木を移動して40を作る

38+27を40+25に変える積み木のイメージ

38個の積み木と、27個の積み木があるところを想像してください。

38個の方は、あと2個あれば40個になります。
そこで、27個の山から2個だけ移します。

38 → 40
27 → 25

すると、38+27 は 40+25 と同じになります。

40+25=65

ここで大切なのは、38だけを勝手に40へ変えたわけではないことです。
片方に2を足したぶん、もう片方から2を引いています。

積み木を右の山から左の山へ移しただけなので、全部の数は変わらない。

同じ考え方で、47+36 ならどうでしょう。

47はあと3で50です。
36から3を移せば、50+33=83 になります。

1998+376 なら、1998はあと2で2000です。

1998+376
=2000+374
=2374

数字が大きくなっても、やっていることは同じです。

あといくつで10、100、1000になるかを探してみる。
キリのいい数は、計算するときの足場になります。

503-298|引き算を「距離」に変えてみる

503-298を数直線の距離で考える図

今度は、503-298 です。

普通に筆算しても計算できますが、298と503は比較的近い数字です。

そこで、503から298を取るのではなく、298から503まではどれくらい離れているかと考えてみます。

  • 298 → 300:2
  • 300 → 500:200
  • 500 → 503:3

全部合わせると、2+200+3=205。

だから、503-298=205 です。

引き算には、あるものから取り除くという見方だけでなく、2つの数がどれだけ離れているかを見るという見方もあります。

たとえば、1002-997 ならどうでしょう。

997から1000まで3。
1000から1002まで2。

3+2=5

筆算を始めるより、こちらの方がずっと簡単です。

一方、846-327のような計算なら、無理に距離で考える必要はありません。普通に筆算した方が分かりやすいこともあります。

どんな計算でも暗算することが目的ではありません。
数字を見て、楽な方法がありそうなら使う。なければ普通に計算する。その判断も計算力のひとつです。

23×14|かけ算をタイルの長方形にする

23×14を23×10と23×4に分けるタイルの図

二桁どうしのかけ算は、数字だけを見ると急に難しく感じることがあります。

23×14

ここでは、縦に23枚、横に14枚のタイルを並べた長方形を想像してみましょう。

横の14を、10と4に分けます。

  • 23×10=230
  • 23×4=92

2つの長方形を合わせれば、230+92=322 です。

23×14
=23×(10+4)
=23×10+23×4
=322

学校では、この考え方を分配法則として習います。

名前だけ聞くと難しそうですが、やっていることは大きな長方形を計算しやすいところで切っただけです。

実は、二桁のかけ算の筆算も同じ考え方でできています。

  • 14の4の分をかける
  • 14の10の分をかける
  • 最後に2つを足す

筆算は、不思議な手順を覚えているわけではありません。
大きなかけ算を、計算しやすい大きさに分けているのです。

37×99|100個用意して1個返す

次は、37×99 です。

99という数字は少し計算しにくそうですが、100のすぐ隣にいます。

37が99個あると考える代わりに、いったん37を100個用意します。

37×100=3700

でも、本当に欲しかったのは99個です。
1個多く用意してしまったので、37を1個返します。

3700-37=3663

つまり、

37×99
=37×(100-1)
=3663

となります。

99を掛ける特別な公式を覚えるというより、99は100より1少ない数と見るのがポイントです。

同じように、48×101なら101を100+1と見ることができます。

48×101
=48×100+48
=4848

98なら100-2。
102なら100+2。
998なら1000-2。

数字そのものだけでなく、近くにある計算しやすい数を探してみましょう。

48×25|25は4個集めると100になる

48×25で25を4個ずつまとめて100を作る図

25という数字にも、計算しやすくなる特徴があります。

25+25+25+25=100

25は4個集めると100になります。

では、48×25 を考えてみましょう。

25ポイントのコインが48枚あると考えます。
4枚ずつまとめれば、1組が100ポイントになります。

48枚から作れる4枚セットは、

48÷4=12組

なので、

100×12=1200

となります。

48×25をそのまま計算するのではなく、25を4個ずつ束ねて100を作ったわけです。

同じような数字には、こんなものがあります。

  • 50は2個で100
  • 250は4個で1000
  • 125は8個で1000

全部を暗記する必要はありません。
25や50、125、250のような数を見たときに、100や1000を作れないかな?と考えてみるだけでも十分です。

16×35|片方を倍にして、もう片方を半分にする

16×35 の箱

16×35 も、そのまま筆算できます。

でも35を2倍すると、70になります。
70なら少し計算しやすそうです。

そこで、35個入りの箱が16箱あるところを想像してみます。

2箱をひとつにまとめると、35+35で70個入りの箱になります。
16箱を2箱ずつまとめるので、箱の数は8箱です。

16×35
=8×70
=560

35を2倍した代わりに、16を半分にしました。
箱の大きさは2倍になりましたが、箱の数は半分なので、中身の総数は変わりません。

かけ算では、片方を2倍、もう片方を半分にしても積は変わりません。

たとえば、25×36なら、

25×36
=50×18
=100×9
=900

と変えることもできます。

125×24なら、

125×24
=250×12
=500×6
=1000×3
=3000

と進めます。

ここまで来ると、計算というより少しパズルに近くなってきます。

どちらを倍にして、どちらを半分にするとキリのいい数になるか。
数字の組み合わせを見つけるゲームです。

ただし、37×43のような計算を無理に変形する必要はありません。
便利な形が見つからなければ、普通に筆算すれば大丈夫です。

75×16|正しい計算方法は1つではない

ここまでの考え方を使って、75×16 を見てみましょう。

まず16を半分にして8、75を2倍して150。

75×16
=150×8
=300×4
=1200

と計算できます。

別の見方もあります。
75を4個集めると300になります。

16個の75なら4個セットが4組あるので、

75×4=300
300×4=1200

と考えることもできます。

計算問題では答えは1つですが、答えまでの道は1つとは限りません。

自分が見つけやすい方法を使っていい。
そして、ほかの人の計算方法を見たときに、そんな見方もできるのかと気づくことも、計算力を伸ばしてくれます。

速く計算することと、全部暗算することは違う

ここまでいろいろな計算方法を見てきました。

では、こうした方法を全部覚えて、何でも暗算できるようになればよいのでしょうか。

そうではありません。

たとえば、25×64 なら25が4個で100という形がすぐ見えます。

64÷4=16
100×16=1600

かなり計算しやすくなります。

でも、37×64 ならどうでしょう。

分け方はいくつかありますが、無理に暗算しようとするより、筆算した方が速くて安全なこともあります。

計算が上手になるとは、全部を暗算できることではなく、その計算に合った方法を選べることです。

そのまま計算する。
10を作る。
100を作る。
近いキリのいい数を使う。
倍と半分を使う。
必要なら筆算する。

文章題や割合、場合の数などでは、計算以外にも考えなければならないことがたくさんあります。

だからこそ、使えるときには数字を扱いやすい形に変えて、問題を考えるための頭を残しておくことが大切です。

中学受験では、こうした数字の見方を実際の計算スピードにつなげることも大切です。
暗算で使いやすい数字の組み合わせや練習方法は、中学受験算数「暗算」を速くする3つのコツで詳しく解説しています。40秒のショート動画も掲載しています。

数字を変身させてみよう

ここまで読んだら、実際に数字の見方を変えてみましょう。

大切なのは、いきなり答えを出すことではありません。
もっと計算しやすい形にできないかな?と考えてみてください。

TRY IT!

数字を変身させてみよう

答えを急がなくてOK。
動かしたり、まとめたりしながら、計算しやすい形を探してみよう。

1 / 9

最初は、どの方法を使えばいいのかすぐには見えないかもしれません。

でも、48を見てあと2で50、398を見てあと2で400、25を見て4個で100と考える経験を重ねると、少しずつ数字の形が見えてきます。

計算が速くなるコツは、数字を変身させること

今回使った方法を振り返ってみます。

  • あと少しで10、100、1000になる数を探す
  • 足し算では、片方からもう片方へ数を移す
  • 引き算を2つの数の距離として見る
  • かけ算を分けて、小さな長方形として考える
  • 99を100-1のように見る
  • 25を4個集めて100を作る
  • 片方を倍、もう片方を半分にする

これらは別々の裏技に見えますが、共通していることがあります。

数字を、そのまま計算しやすい形だと思わなくていい。扱いやすい形に変えてから計算していい。

積み木なら移動できます。
タイルなら分けられます。
箱ならまとめ直せます。

数字も同じです。

計算が速くなるコツは、数字を速く処理しているだけではなく、計算しやすい形を見つけています。

最初からその形が見えなくても大丈夫です。
まずは計算を始める前に、10や100を作れないか、近くにキリのいい数字がないかを一度探してみてください。

次の記事では、数字を動かすだけでなく、数字そのものに隠れている仕組みを見ていきます。

45は、なぜ4+5=9を見るだけで3の倍数だと分かるのでしょうか。
4の倍数は、なぜ下2桁だけ見れば分かるのでしょうか。

一見すると暗記するしかなさそうなルールも、積み木や箱に置き換えると理由が見えてきます。

数字を計算しやすい形に変える考え方が分かったら、次は「なぜ3の倍数は各桁を足すと分かるのか?」を仕組みから見てみましょう。
倍数の見分け方にも、数字を扱いやすい形へ変える考え方が隠れています。

▼ 小学5年生の算数をまとめて確認

小学5年生の算数30問テスト|重要単元を総復習して苦手をチェック

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この記事を書いた人
shin

業務改善・DX支援コンサルタント / Webコンテンツクリエイター。
営業・店舗マネジメントから現場作業まで25年以上の実務経験を持ち、現在はフリーランスとして企業のDX推進(kintone導入やバックオフィス効率化)を支援。

プライベートでは、自身の子供の中学受験・基礎学力向上のために作成した教育系動画をきっかけに、AI技術を用いた音楽や動画制作の探求を開始。

当サイトでは複雑な業務や知識を、誰でも使えるシンプルな仕組みに落とし込むコンサルタントの知見を活かし、最新AIツールから教育、歴史的占術まで、実践的でわかりやすい一次情報を発信している。

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