3日おきに当番がくるAさんと、4日おきに当番がくるBさん。
今日たまたま2人の当番が重なりました。
では、次に2人の当番が重なるのは何日後でしょうか。
3日後ではAさんだけ。4日後ではBさんだけ。
それぞれ別のリズムで動いています。
ところが進めていくと、12日後にもう一度2人のリズムがそろいます。
この違う間隔で繰り返しているものが、次にそろう場所を見つけるときに使えるのが、小学5年生で学ぶ最小公倍数です。
この記事では、倍数を書き出す基本の求め方から、裏ワザと呼ばれることもあるはしご算(連除法)まで解説します。
でも、計算方法を覚えるだけでは終わりません。
そもそも最小公倍数は何を見つけるための計算なのかまで考えてみましょう。

最小公倍数は「違うリズムがまたそろう場所」
最初の当番の例を数字で見てみます。
- 3日おき:3、6、9、12、15、18、21、24…
- 4日おき:4、8、12、16、20、24…
3日おきと4日おきではリズムが違いますが、12日後には両方が同じ場所へ来ました。
さらにその先を見ると、24日後にも重なります。
この12、24、36…のように両方の倍数になっている数を公倍数といいます。
そして、その中で一番小さい12が最小公倍数です。
教科書では「2つ以上の整数に共通する倍数のうち、最も小さいもの」と説明されます。
もちろんその定義も大切です。
ただ、まずは違うリズムが最初にそろう数字と考えると、何のために使うのかが見えやすくなります。
最小公倍数の基本の求め方|まずは倍数を書いてみよう
6と8の最小公倍数を求めてみます。
- 6の倍数:6、12、18、24、30…
- 8の倍数:8、16、24、32…
最初に重なった数字は24です。
したがって、6と8の最小公倍数は24です。
数が小さいうちは、この方法が一番分かりやすいと思います。
何を計算しているのか分からないまま速い方法だけ覚えるより、まず重なる場所を探していることを確認しておきましょう。
最小公倍数を速く求める裏ワザ|はしご算
数が大きくなってくると、倍数を何個も書くのは大変です。
そこで使えるのがはしご算(連除法)です。
6と8をはしご算で求める
- 6と8を並べる
- 両方を割れる2で割る
- 6÷2=3、8÷2=4になる
- 3と4は同じ数ではこれ以上割れない
- 2×3×4を計算する
2×3×4=24
答えは24です。
なぜ、これで24になるの?
ここを少しだけ考えてみましょう。
6と8は、どちらも2を持っています。
6=2×3
8=2×4
2は両方に共通しているので、1回あれば足ります。
そこへ6に必要な3と、8に必要な4を合わせると、
2×3×4=24 となります。
はしご算は、ただの計算テクニックではありません。
2つの数に共通している部分を一度だけ使い、残りを組み合わせる方法だと考えると、少し見え方が変わります。
毎回はしご算をしなくてもいい|数字を先に見よう
速く解きたいときほど、いきなり計算を始めない方がいいことがあります。
数字を見ただけで分かる場合があるからです。
① 片方がもう片方の倍数なら大きい方
3と9を考えます。
9はすでに3の倍数です。
つまり、3のリズムと9のリズムは9ですでに重なります。
- 3と9 → 9
- 4と12 → 12
- 5と20 → 20
- 7と21 → 21
この場合は、はしご算をする必要もありません。
② 共通して割れる数がなければ、そのままかける
4と9を考えてみます。
4と9には、1以外に共通して割れる数がありません。
この場合は、4×9=36
36が最小公倍数になります。
つまり最小公倍数を速く求めるコツは、「どの公式を使う?」ではなく、まず数字の関係を見ることです。
文章題では「何が繰り返している?」を探そう
学校のテストでは「最小公倍数を求めなさい」と書いてある問題ばかりではありません。
文章題では、まず繰り返しているものがあるかを探してみましょう。
- 3日おきと4日おきの当番
- 6分おきと8分おきに来る乗り物
- 5日ごとと7日ごとのイベント
- 違う間隔で点滅するライト
そして、
- 次に同時になるのはいつ?
- 次に重なるのは何日後?
- 最初に両方がそろうのは?
と聞かれていたら、最小公倍数が使えないか考えます。
「余らない」が出たら最小公倍数、ではない
ここは注意したいところです。
「余らない」という言葉だけで最小公倍数と決めることはできません。
例えば、24個のお菓子を、できるだけ多くの人に同じ数ずつ余らないように分けたい という問題なら、考えるのは約数です。
一方、4個ずつでも6個ずつでも余らない、一番少ないお菓子の数は? という問題なら、4と6の最小公倍数を考えます。
言葉だけを暗記するのではなく、何をそろえようとしている問題なのかを見ることが大切です。
通分も「違うリズムをそろえる」考え方
最小公倍数は、分数の通分でも使います。
例えば、1/6 + 1/8 を考えてみます。
6分の1と8分の1では、1つ分の大きさが違います。
そのままでは足せません。
そこで、6と8の両方で使える同じ分け方を探します。
- 6の倍数:6、12、18、24…
- 8の倍数:8、16、24…
最初にそろうのは24です。
だから、24分のいくつという形にそろえることができます。
当番の周期をそろえる話と、分数の分母をそろえる話。
一見まったく違う問題ですが、どちらも違うものを、共通する場所へそろえるという考え方でつながっています。
動画で最小公倍数の基本を確認しよう
倍数・公倍数・最小公倍数の基本は、動画でも解説しています。
文章で考え方を確認したあと、図や動きでも整理したい場合に活用してください。
ここから少しだけ先へ|重なる時間に幅があったら?
ここまで扱った当番や乗り物は、ある瞬間に重なる問題でした。
では、少し条件を変えてみます。
Aのライトは6秒おきに光り、2秒間光り続ける。
Bのライトは8秒おきに光り、3秒間光り続ける。
最初は2つとも同時に光り始めたとします。
6と8の最小公倍数は24なので、24秒後には2つのライトの繰り返し方が最初と同じ位置へ戻ります。
でも、ここで新しい疑問が出てきます。
24秒になる前にも、2つが同時に光っている時間はあるのでしょうか?
今度は重なる瞬間だけでなく、光っている時間の幅まで考えなければいけません。
これは最小公倍数だけでは答えが決まりません。
小学5年生の学習範囲からは少し外へ出ますが、最小公倍数を理解すると、こんな問題まで考えられるようになります。
難しい名前を覚える必要はありません。
「条件が変わったら、同じ考え方で解けるのかな?」と疑問を持てれば十分です。
似ているけれど最小公倍数ではない問題もある
例えば、同じ学年に4月生まれの子と9月生まれの子がいるとします。
4月生まれの子が先に誕生日を迎えるので、しばらく年齢が1つ違います。
9月生まれの子が誕生日を迎えると、今度は2人が同じ年齢になります。
この場合に考えているのは、何か月ごとに繰り返すかではなく、同じ年齢になっている期間がどこかです。
見た目は「2つの条件が重なる」という似た問題でも、最小公倍数を使う問題とは少し違います。
算数では、このように似ているけれど何かが違うところを考えると、理解が一段深くなります。
練習問題|どこでリズムがそろう?
問題1
5日おきにあるイベントと、6日おきにあるイベントがあります。今日同時に行われた場合、次に同時になるのは何日後ですか?
問題2
3と9の最小公倍数を求めましょう。計算する前に数字の関係を見てみてください。
問題3
8と12の最小公倍数を求めましょう。
問題4
Aさんは4日おき、Bさんは10日おきに図書館へ行きます。今日2人が一緒になった場合、次に一緒になるのは何日後ですか?
答え
問題1
5と6には1以外の共通する約数がないので、5×6=30。
答え:30日後
問題2
9はすでに3の倍数です。
答え:9
問題3
8の倍数は8、16、24…
12の倍数は12、24…
答え:24
問題4
4と10の最小公倍数は20です。
答え:20日後
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まとめ|最小公倍数は計算より「何がそろう?」を見る
最小公倍数は、単に倍数を並べて一番小さい数字を探すための単元ではありません。
- 違う間隔で繰り返すものが、次にそろう場所を見つける
- 基本は倍数を書き出して最初の共通点を探す
- 速く求めたいときは、はしご算も使える
- 数字の関係によっては計算しなくても分かる
- 文章題では「何が繰り返している?」「何をそろえる?」を見る
- 通分にも同じ「共通する場所へそろえる」考え方が使われている
そして、条件を少し変えるだけで「点が重なる」から「時間の幅が重なる」問題へも広がっていきます。
学校で習うところまで覚えたら終わりではありません。
「じゃあ、こうだったらどうなる?」
そう思ったところから、算数はもっと面白くなります。
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