【楽曲紹介&制作秘話】水星を擬人化!狂気と儚さのV系エモ・ロック『Mercury Kiss 〜気まぐれな引力〜』

AI音楽

アニメMV(ミュージックビデオ)を個人で制作する連載の特別編として、新たな天体シリーズ『COSMOS The Lost Chronicles』の幕開けとなる第1弾映像作品『Mercury Kiss 〜気まぐれな引力〜』をご紹介します。

前回のチュートリアル記事で解説したSuno AIのプロンプト術や、ChatGPTを用いた世界観構築を、実際の作品作りにどう落とし込んでいるのか。

本記事では、効率厨クリエイターとしての制作の裏側や、AIへの細かな指示の秘密をすべて公開していくことにしましょう。

Mercuryの「メル」

豆知識:水星ってどんな星?極端な温度差を愛憎に重ねたコンセプト

読者の皆様は、水星(Mercury)がどのような星かご存知でしょうか。

太陽系で最も内側を公転しているため、昼は400度の灼熱に達する一方で、夜はマイナス170度の極寒になるという、非常に過酷で極端な環境を持っています。

今回の楽曲では、この極端な温度差を気まぐれな男(太陽)に振り回される女心(水星)として擬人化してみました。

太陽の巨大な引力から逃れられず、近すぎて燃え尽きそうになりながらも、離れれば凍えてしまう。

そんな依存と焦燥感を、恋愛エモ・ロックのテーマとして表現して仕上げたのが本作のコンセプトとなります。

単なる宇宙の表現にとどまらず、人間の生々しい感情にリンクさせることを強く意識しました。

最大のキラーギミック!女性キャラ×男性ボーカルの魔法

ボーカルとキャラクターの組み合わせにも、強烈なスパイスを仕込みました。

個人的な好みとしてヴィジュアル系は女性ボーカルに惹かれることが多いのですが、今回はあえて中性的な男性ボーカルを採用しています。

映像には女性キャラクターを登場させ、一人称が「私」のヒリヒリとした女性視点の歌詞を、男性の声で歌わせるという逆転のアプローチを試みたのが本作最大のキラーギミックです。

これにより、単なる失恋ソングの枠を超え、ヴィジュアル系やボカロ・ロックに通じる特有の狂気や儚さ、そして危うい色気を極限まで増幅させることに成功したと言えるでしょう。

Sunoプロンプト公開!極寒のピアノと灼熱のファズベース

サウンドディレクションにおいては、シリーズ共通のギターレス構成を踏襲しつつ、BPM165という超高速テンポで焦燥感を煽る設計を取り入れています。

実際にSunoに入力したスタイルプロンプトの一部を公開して解説しましょう。

  • Style: Fast-paced alternative emo rock, chaotic high-register piano, scorching heavy fuzz bass, driving fast drums, androgynous male vocal, high-pitched, emotional, delicate but powerful, quiet and loud dynamics, Japanese lyrics, BPM 165, Key: G minor
  • Exclude: electric guitar, acoustic guitar, synthesizer, strings, brass, orchestral, pad, 300Hz-500Hz mud, boxiness, phase cancellation, monophonic sub, frequency masking, vocal gasps, humming, artifacts, hiss, noise

冷たいピアノの超高速アルペジオで極寒と感情の不安定さを表現し、ドロドロに歪んだファズベースで灼熱の重低音を響かせるよう指定しました。

さらに、Exclude(ネガティブプロンプト)機能を駆使してギターや不要なノイズ帯域を徹底的に排除することで、相反する2つの楽器が激しくぶつかり合うクリアなカオスを生み出すことができたのです。

映像制作の裏側:GPTキャラとMidjourney背景の融合

視覚面である映像の制作では、異なるAIツールの得意分野を掛け合わせる手法をとりました。

第3回記事で解説した設定シートを用い、ChatGPTで生成した2.5Dアニメ調のキャラクターと、Midjourneyで生成したリアル寄りアニメ背景を合成しています。

この2つの融合は非常にうまくいき、狙い通りの空気感を構築できたと感じています。

一方で、Seedanceを用いた動画化(キャラクターのモーション生成)については、まだ反省の余地が残る結果となったのも事実です。

動きの制御や自然さの追求は、効率厨としての今後の制作における重要な課題として、アップデートを重ねていく予定としています。

こうしたトライアンドエラーもAI制作の醍醐味と言えます。

まとめ:COSMOSシリーズ開幕。気まぐれな引力に囚われてください

設定上はアルバムの第5弾となりますが、ミュージックビデオとしては記念すべき第1弾の公開に位置づけています。

過酷な水星の環境と、それに翻弄される感情をAI技術でどのように表現したのか。

ぜひYouTubeでフルバージョンをご視聴いただき、AIで構築された水星の世界観と気まぐれな引力に囚われる感覚を、実際の映像と音で体感していただければ幸いです。

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